
たとえば、ワーキングペアレンツが直面する課題の背景には、昭和の高度経済成長期で成功体験となった長時間労働や、性別役割分担から生まれる「夫は仕事、妻は家庭」というステレオタイプなどが複雑に絡み合っています。育児による時間の制約だけではなく、こうした慣習や価値観による社会構造そのものが“アンフェア”を生み出しているのです。
そこで私たちは、ワーキングペアレンツのキャリアとライフの課題の奥に潜む、この大きく複雑な社会課題にこそ向き合う必要があると気付きました。少子高齢化が進み、労働人口が減少していく日本社会では、もはや過去の成功体験にしがみついても先が見えません。個人のwell-beingと企業の成長がトレードオフにならない、新しい労働市場のあり方を築いていくことが不可欠だと考えています。そして、withworkという事業は、まさにその挑戦の最前線にあります。
実は、withworkは私自身が子どもを授かったとき、「キャリアとライフはトレードオフなのだろうか」という違和感を抱いた瞬間から始まりました。仕事で何かを成し遂げたい。でも、家族と過ごす時間も、夫婦それぞれのキャリアも大切にしたい。そんな願いは欲張りなのか?と悩み、葛藤し、もがき続けた結果、「誰もがキャリアとライフをトレードオフにせず、本当に良いと思える生き方を選べる社会をつくろう」という想いを原動力に、withworkを立ち上げたのです。
まずは、ワーキングペアレンツが“キャリアもライフも”トレードオフにせず活躍できる社会を実現すること。その先には、属性や制約にかかわらず一人ひとりが自分の可能性を存分に発揮できる世界があると、私たちは信じています。子どもたちの世代には、いま私たちが直面している「男だから」「母親なのだから」といった制約が、いつか「そんな時代もあったの?」と笑い話になるように──。 私たちは今後も、新たな事業の創造を通じて「フェアな労働市場をつくる」というミッション実現に挑戦し続けます。
もしこの想いに共感いただけたなら、未来の仲間や顧客、パートナーとして、ぜひ私たちと共に新しい未来を創っていきましょう。
上原達也
XTalent株式会社 代表取締役